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11月30日
3054回目のシミュレート
結果:失敗
種を投下
データ収集の後、入力する変数を変更、再シミュレート

やはり細かな変更では運命の収束を突破することは不可能である。
私が生まれた後の時間軸に変数の設定を限定していたが、見直す必要がありそうだ。
かといって変更が大き過ぎれば存在そのものが発生しない。
一先ず親族または居住区域周辺3km以内の住民及び区域内に発生する事象のみに 変数の設定を限定する。


シミュレートシステムのアップデートにより、今後は試行回数の大幅な減少が期待できる。
一度ごとのシミュレートをより詳しく観察していくことも可能となるだろう。
種の投下のタイミングを問題発生直後ではなく、数年の経過観察後にするパターンもいくつか試行する価値がありそうだ。
いずれにせよ、問題の原因となる因果の特定が急務である。


なぜ

なぜこんな感情を抱くことになったのか

必ず、殺してやる




1月23日

27389回目のシミュレート
結果:失敗
種を投下
データ収集の後、入力する変数を変更、再シミュレート

27390回目のシミュレート
結果:失敗
種を投下
データ収集の後、入力する変数を変更、再シミュレート
27391回目のシミュレート
結果:失敗
種を投下
データ収集の後、入力する変数を変更、再シミュレート

27392回目のシミュレート
結果:失敗
種を投下
データ収集の後、入力する変数を変更、再シミュレート

27393回目のシミュレート
結果:失敗
種を投下
データ収集の後、入力する変数を変更、再シミュレート

27394回目のシミュレート
結果:失敗
種を投下
データ収集の後、入力する変数を変更、再シミュレート


一度繰り返す度に一歩絶望へと近づいていく。
だが僕が立ち止まることはないだろう。
この痛みを、苦しみを受容し続けることなど
僕には到底できそうにない。
今朝も彼女は僕に挨拶をし、僕もそれに応える。
それだけだ。
理由などそれだけで十分だ。
今日も僕は世界を創り、今日も僕は世界を壊す。
種から生まれた植物が全てを侵食し、そして消していく。

プログラムのモチーフを植物にしたのはただの気まぐれだった。
僕は植物に対して、憧れに近い感情を抱いていた。
植物は痛みを感じない。
触れられ、傷つけられることに電気信号的な反応はしても
それを避けたり、拒んだりはしない。
ただ、そこにあるだけだ。
僕は植物のようにありたかった。
触れられる度に痛みを感じる僕ごと全てを消してしまいたかった。

今日も種が全てを消していく。
何も感じず。
ただ淡々と全てを飲み込み。
そうありたくともそうあれない僕の気持ちなど無関係に。

せめて君も痛みを感じればいいのに。

そうだ。
名前をつけよう。
AMI
意味は、イタリア語で
「あなたは愛する」


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